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都庁の食堂 [建築]

正月明けから、仕事で都庁に度々通い、本日は昼食を都庁の食堂でいただきました。

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東京都庁は建築家丹下健三の晩年の設計。
 
外観のフラットな表情と、超高層の圧倒的な建物高さは、権威的で初めて訪れる人を威圧する。

建物の中で働く人が、うっかり自分の存在が大きいものと、勘違いしてしまうのではないかと心配になる。


食堂は明るくて広い。
メニューは普通。ほどほどの価格。

味も、ほどほど。

何度も打合せに行き、時間的にも大変でしたが、打合せ後の都庁食堂での食事と、展望台立ち寄りのおまけは、よい経験です。



桜満開。





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目黒区役所 村野藤吾設計 [建築]

目黒区役所。

ここ数か月間、何度も通って
本日、一連の申請手続きがようやく一段落した。

一体この庁舎建築は。
じっくり味わいたいと思いながらここまで「お仕事、お仕事」と言い聞かせてきて、
やっと年末を無事に迎えられそうとほっとして、今日は区役所内をゆるゆる散策。

エレベーター最上階のさらに上のボタン、「屋上庭園」というのがずっと気になっていたので
まずはエレベーターに乗って「上へ」のボタンを押し、一度も上がったことのない屋上へ。

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やはり。
建築家村野藤吾の設計でした。

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屋上庭園です。公共施設とは思えない立派な松。

独特な外観も、人影のない屋上庭園の存在自体にも強い意志を感じた.
が、初めて来たとき以来、訪れるたびに目を見張るのは、
建物全体の中心に位置する日本的な中庭、池、それをぐるりと囲む回廊、
そしてそこに突き出している鋭く深い庇と極限的に薄いコンクリートスラブの濡れ縁のある和室のありようだった。

庁舎の案内板を見ると、和室はだれでも予約もなく自由に利用できる様子。
ふらっと立ち寄りゴロンと横になって休憩だってできるはず。

でも、しんとした一角にあるその空間の空気は、ひんやりした緊張感のある、まるで茶室です。

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一体庁舎としてこれを設計するとはどれほどの思い入れと気迫なのか、と度胆を抜かれた。


実はそもそもこの建築は庁舎として設計されたのではなかった。

かつては千代田生命保険相互会社の本社ビルであった。
1966年(昭和41年)に竣工している。

それが、2003年(平成15年)に区の総合庁舎として再生したとのこと。

庁舎ではなく、民間会社の本社ビルだった、と確認できた時なぜか少しほっとした。


同時に、再生されて、今も生き続けているこの建築の生き様と
再生させて使い続ける目黒区と、いずれに対しても深い敬意の念をおぼえた。


一方、同時代に村野藤吾が設計した横浜市庁舎(1959年竣工)は。

横浜市新庁舎の建設が進み、来年2020には新庁舎への移転が決まっている。

そして既存の庁舎については、「保存再利用の方針」が昨年あっという間に翻り、
今や既存解体後の「跡地」利用について取り沙汰される。

「観光」とか「集客」とか「賑わい」とか。

文化的なLEGACY(遺産)よりもカジノですか、と
うっかり関係ないことまで引っ張りだしてきて突っかかりたくなる。
壊すのは簡単。

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年末最後によい建築といられたことは、心が安らぐことでした。

来年もなんとか生きていけますように。







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馬場花木園 茅葺き見学会 [建築]

馬場花木園の茅葺き屋根の葺き替えの見学会に行ってきた。
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茅葺の道具や、材料や、手順や、
茅葺職人事情の現状、経年変化を経た後の補修方法や、
葺いているその段階からカラスが茅を引っ張り出して巣作りに持って行ってしまう事情などまで
生き生きとした職人さんと設計監理の担当者の方と市の職員の方も一緒になって具体的な解説を聞かせてくださった。

それに加えて茅を「縛る」作業を、実際にさせてもらった。
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そのことで、「茅葺屋根」というものがストンと本当に自分の中に入ってきて、
きちんと種がのこった感じがする。


屋根に上って作業したわけでもないし、いわば道具にほんのちょっとさわらせてもらっただけ、という程度のことだったのだが、そんな僅かなことでも実際に体験することの力は大きい。

ありがたいことでした。

完成が楽しみです。


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明治学院大学チャペル [建築]

明治学院大学のチャペル内部
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1916年(大正5年)に建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計によって建てられた。
英国ゴシック様式の礼拝堂である。

クリスマスツリーの点灯式が執り行われ、チャペル内にはパイプオルガン、大学のグリークラブの讃美歌が響いた。
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いつかまた機会があるなら、この次は朝のチャペルでひざまずきたい。

左右の窓やステンドグラスからの柔らかい光に包まれたこの空間はさらに美しいに違いない。



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富士宮本宮浅間大社 [建築]

富士宮本宮浅間大社。
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曇りがちな夕暮れ時に到着。

僅かな光の中で、本殿の浅間造、二重の楼閣構造の上部の
間口3間奥行2間の流れ造りの美しいシルエットを見上げることができた。
日暮れ前、最後のタイミングに行きつけたのは運がよかった。


いよいよ周囲が暗くなり始めたころ、拝殿では巫女さんたちが神楽を舞う稽古をしていました。
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静岡県富士山世界遺産センター [建築]

坂茂設計 静岡県富士山世界遺産センター

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逆富士の建築が、建物前の水面に映り込んで再び逆転して富士山として目に映るという構図。

編み上げているように見えるのは木の格子。

しかも2000種ほど、すべて異なる形状のピースを組み上げているのだという。

さらに近づいてみると、格子が本当に編んでいるように見えるように、たとえば竹細工の竹のように見えるよう、編み込みごとにふっくらとむくりをつけて成形されているという徹底ぶり。

平面的には円ではなく、楕円形であることは図面では確認していたが、楕円であることこそが見事に緊張感のある美しさを生み出しているのだとここに立って了解できた。


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エレベーターで最上階へ。
エレベーターを降りた途端に、正面に本物の富士山が。

設計者の狙い通りの富士山。

しっかり拝めた。

午前中残っていた雨が上がり、しかもこのタイミングで雲も途切れて、本当に嬉しい。


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その後は、斜路の壁に映り込む登山者の影の隣を、
2015年の2回の富士登山を、身体で思い出しながら、
ゆるゆる降りてきました。

富士山。



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芹沢光治良記念館 菊竹清訓 [建築]

菊竹清訓設計の芹沢光治良記念館
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午後の逆光を受けて太く荒々しい樹林の中に、半世紀風雪に耐えた建築が建っていた。
異様な存在感。

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小説家芹沢光治良に対しても傷みの出ている記念館の建物に対しても、わずか3名の館員の方々が控え目な愛着を抱いているような空気が感じられて、慌ただしい滞在時間だったにもかかわらず何かほっとした。

立ち寄ることができて本当に良かった。


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江之浦測候所 [建築]

杉本博司氏の江之浦測候所を訪れました。


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「冬至光遥拝隧道」
半分土に埋まったコルテン鋼の隧道の軸線が、まっすぐ太平洋の向こう、冬至の朝陽の方向に重なっており、冬至の日の夜明けには隧道の中に海に反射した朝陽が満たされて赤く赤く輝くのだと。


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がけから突き出たコルテン鋼の隧道の上に立ち、暗い海からの空気を吸い込んでみた。


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コルテン鋼の隧道に交差するようにその上部にあるのが、この柔な大谷石の壁と屋根。
やがて大谷石が風化して廃墟と化していくのがこの建築の目指すところ、と。


 
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建築の日本展 森美術館 [建築]

六本木 森美術館 「建築の日本展」

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原寸大の待庵(モデル)もある、中にも入れる、とも聞き、何とか会期中に行かねばと、仕事の合間に大急ぎでまわった。

エポックメイキングな建築の模型や図面が多数集められていた。
「建築の日本展」と銘打っているだけある。

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大急ぎで回るべき展覧会ではなかった。
時間不足が残念でした。

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ミウラートヴィレッジ三浦美術館 坂の上の雲ミュージアム [建築]

朝、松山から予讃線で堀江へ。
長谷川逸子が設計した建築’ミウラートヴィレッジ三浦美術館’を見に行くつもりが、うっかり一駅乗り過ごしてしまった。
本数が限られていてショック。
電車を待つよりは、と海岸沿いを歩きはじめた。
歩道はあるがあくまで車両用の道路、、でも海は美しい。
天気も良い。
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ミウラートヴィレッジ三浦美術館。
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人の気配がないなんて、すてき。
なんとなく、ガチャガチャした印象を持っていた長谷川逸子氏の建築も人影がなければこんなに静か。

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予讃線にて再び松山に戻り、萬翠荘を望む東屋で軽く昼食をとり、安東忠雄氏設計の坂の上の雲ミュージアムへ。

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坂の上の雲ミュージアム。敷地入口の小さなサインを見逃すと美術館がどこにあるのかもわからず、入れない。
大通りから見える建物の建ち姿はとても窮屈そうで、周辺の建物を押しのけるようなガラス張りの大外観も気持ちがざわざわする。

極めて立ち入りにくい雰囲気を押して、エントランスまでの一直線のアプローチを行くしかない。
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アプローチの見返りは美しいです。
が、来訪者に対してあまりにそっけなくはないか。
エントランスへの向かう時、何やら横柄に粗雑に扱われているような気持ちにさえなる。

が建物内エントランスホールに入って、息をのんだ。

なんと。 RCの超長階段が宙を飛んでいるではないですか。
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衝撃的。
こんな難しいことを。

どうしてこうしたのだろう。
何を求めたのだろう。

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