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ト二・モリスン [読書・美術]

年明け早々に現場へ。

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外壁3面ほぼ終了。
帰りの車中では本がたっぷり読める。

・・・・ジョーンズは一目で少女が誰だかわかった。子供だったら誰でも持っている表情が、その顔にあった。五セント銅貨のようなまあるい目。大胆でそのくせ疑い深い。大きくて強そうな歯並びが、ノミで彫ったような開いた唇のあいだから見えている。頬の上あたり、鼻柱をまたいで、傷つきやすい性質が感じられる。それから肌。無傷で無駄がない。骨を覆うのにきっかり必要なだけの皮膚がぴんと張って、微塵のたるみもない。十八か十九のはずだけど、と十二だと言ってもおかしくなさそうな幼い顔を見ながらレディ・ジョーンズは思った。・・・・大人の知恵がつく前の子供たちにかげろうのように漂っている、間違えようのない愛を求めている表情。
   「Beloved」 トニ・ モリスン (著) 吉田 廸子(訳) より

「青い目がほしい」でデビューをしたト二・モリスン。
2019年没。

会ったことはもちろんないのに、この著者がすでに死んでしまったことに深い喪失感を覚える。

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Madame Curie(2) [読書・美術]

Madam Curie  エーヴ・キュリー著 河野万里子訳 より

 実験に思わしい結果が出ないと、マリーは不幸に打ちのめされたようになった。 背中を丸めていすにすわり、うで組みをしてうつろな目をし、急に田舎の老婆になったかのように見える。 なにか大きな不幸のために、嘆いて口もきかなくなった老婆のように。 研究員たちはそんなようすに気づくと、事故か、なにかとんでもないことでも起きたのかと思い、どうしたんですかとたずねる。 するとマリーは沈うつに、すべてをひとことにして言う。「アクチニウムXを沈殿させることができなかったんです・・・・・」 公然と敵を非難することもあった。 「ポロニウムがわたしをきらっているんです」
 だがうまくいくと、心も軽く、うきうきする。 そうして元気いっぱい庭に出て、バラにも菩提樹にも太陽にも、「とっても幸せ!」と言ってまわりたいかのようだ。 科学と仲直りをし、すぐに笑いだしたり感嘆したりする。

 
半世紀以上前に家を飛び出し、米国に渡ってユダヤ系ポーランド人と結婚した叔母がいる。
その叔母が今年米国で生涯を終えた。
米国で散骨され、日本に帰ることのなかった叔母の遺品を整理していたら、古びた本の中から、子どもの描いた絵が出てきた。
疾走する少女の絵。
描いたのは叔母。
本は「キュリー夫人伝」だった。

図書館で新しい訳本を借りて読んだ。
あの絵を見なかったら、死ぬまで読むことなく終わるところだった。

読むことができて本当によかった。







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Madame Curie [読書・美術]

Madam Curie  エーヴ・キュリー著 河野万里子訳 より

非凡な業績を前に、ためらいと、諦観と、謙そんに終始した彼女自身は、ほんとはそれを、どのように思っていたのだろうか?

〈マリー・キュリーより姪ハンナ・シャライへ 1913年1月6日〉

・・・私はどの時代でも、人はおもしろく有意義な人生を送れると思っています。 肝心なのは、与えられた人生をむだにせず、〈わたしは自分にできることはやった〉と自分自身に言えるようにすること。 
周囲もそれ上は要求できませんし、ささやかな幸福を手にするためにも、これはただひとつの道です。 
 去年の春、うちの娘たちは蚕を飼いました。 わたしはまだとても体調が悪くて、何週間もなにもできず、蚕が繭をつくろのをじっと観察していたのです。 それがとってもおもしろかったの。 活発でいっしょうけんめいな蚕たちが、熱心に我慢強く繭をつくっていくようすには、ほんとうに感動しました。 そうして「わたしも同じ仲間だわ」と思ったのです ー 仕事に対しては、わたしのほうがずっと手ぎわが悪いとしてもね。 蚕たちと同じように、私もいつもひとつの目標にしんぼう強くむかっています。 そこに真実があるという確信は、少しも持てないまま。 人生はうつろいやすく、はかなく、あとにはなにも残らないと知っていますし、人生をまったくちがうふうにとらえる人たちがいることも、知っているからです。 それでもなおそこを目ざすのは、蚕が繭をつくるのと同じように、なにかがわたしをそうさせるから。 あわれな蚕は、たとえ完成させられなくても、繭をつくりはじめなくてはなりませんし、やはりせっせとはたらきます。 そうしてその仕事をやりとげられなければ、羽化することはできず、報いられることなく死んでいきます。
 いとしいハーニャ、どうかわたしたちが、それぞれに自分の繭を紡いでいくことができますように。 「なぜ」とか「なんのために」などと、問うことなく。


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「ペスト」 [読書・美術]

カミュ「ペスト」は

以前にも読んだことがあったはずだった。


「ペストがその深い意味において追放と離別であった」

という意味を、
世界中の人、私たちの身に起こった
まさにそのこととして、
理解できることになるとは想像していなかった。

新型コロナウィルスの感染が
世界で拡大し続けている。




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苦海浄土 三部作 [読書・美術]

石牟礼道子さんの「苦海浄土 三部作」を読んだ。

本は広辞苑のような分厚さだった。
慈しみ深い、研ぎ澄まされた感覚とその文章に、頭を垂れる思いです。

熊本、水俣で起こったこととまるで同じ構図の出来事が、今も繰り返されているのだとも、気づいた。
まったく、私はぼんやり生きている。




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「星に降る雪」  [読書・美術]

「スーパーカミオカンデ」という文字を初めて目にしたのは、数年前に読んだ池澤夏樹の小説「星に降る雪」の中でした。
梶田隆章さんがノーベル物理学賞を受賞して、TVの画面いっぱいに映し出される「スーパーカミオカンデ」を見て、小説を呼んだ時の感覚がよみがえってきました。

「スーパーカミオカンデ」
その様子をただ想像しながら読んでいた。
あれは、これだったのか。

上野の銀杏 [読書・美術]

知人のギャラリーの絵画展にうかがうついでに、上野国立博物館とサントリー美術館もはしごしました。



絵画展では、知人の亡くなった奥様、藤井清子氏の版画「黒亀」がひときわ目を引きました。

鎌倉の神奈川県立近代美術館に収められた版画「紫亀」の兄弟版画だと聞きました。



上野の博物館の前庭の銀杏の巨木。

穏やかな日でした。



東京では12月が紅葉の季節になった気がします。
   12月は、秋?

ミケランジェロ展 [読書・美術]

久しぶりに国立西洋美術館へ行きました。



仕事がひと段落しました。今日は、茶道の道場で修業、そのあと科学博物館、西洋美術館をはしごして帰りました。



ミケランジェロ展では昔見たシスティーナ礼拝堂の天井画や最後の審判について、初めて絵画の周辺のことを知りました。手紙や習作は、興味深い。


ダイオウイカ  [読書・美術]







ダイオウイカを見に国立科学博物館に行ったのだけど、最後はいつも通り常設展へ。↑ここです。



この展示室に入ると、圧倒的な動物の迫力に一瞬息が止まります。自分が、これらの動物のどれよりもひ弱で、簡単に踏みつぶされてしまう動物だということに気付いてぎょっとするのです。




パリオペラ座 天井桟敷の人々 [読書・美術]

上野東京文化会館で、パリオペラ座バレエ団「天井桟敷の人々」を見ました。







たまらない悲しさとか、強い想いとか。

そういう感情がじかに強烈に胸に入ってくるのは、バレエが言葉を捨てて身体でそれを表すからだろうか。



こんなに衝撃を受けたバレエは今までなかった気がします。



プリマの衣装の美しさも目を見張るようでした。建築的な厚みがあるような印象でした。
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