ト二・モリスン [読書・美術]
年明け早々に現場へ。

外壁3面ほぼ終了。
帰りの車中では本がたっぷり読める。
・・・・ジョーンズは一目で少女が誰だかわかった。子供だったら誰でも持っている表情が、その顔にあった。五セント銅貨のようなまあるい目。大胆でそのくせ疑い深い。大きくて強そうな歯並びが、ノミで彫ったような開いた唇のあいだから見えている。頬の上あたり、鼻柱をまたいで、傷つきやすい性質が感じられる。それから肌。無傷で無駄がない。骨を覆うのにきっかり必要なだけの皮膚がぴんと張って、微塵のたるみもない。十八か十九のはずだけど、と十二だと言ってもおかしくなさそうな幼い顔を見ながらレディ・ジョーンズは思った。・・・・大人の知恵がつく前の子供たちにかげろうのように漂っている、間違えようのない愛を求めている表情。
「Beloved」 トニ・ モリスン (著) 吉田 廸子(訳) より
「青い目がほしい」でデビューをしたト二・モリスン。
2019年没。
会ったことはもちろんないのに、この著者がすでに死んでしまったことに深い喪失感を覚える。

外壁3面ほぼ終了。
帰りの車中では本がたっぷり読める。
・・・・ジョーンズは一目で少女が誰だかわかった。子供だったら誰でも持っている表情が、その顔にあった。五セント銅貨のようなまあるい目。大胆でそのくせ疑い深い。大きくて強そうな歯並びが、ノミで彫ったような開いた唇のあいだから見えている。頬の上あたり、鼻柱をまたいで、傷つきやすい性質が感じられる。それから肌。無傷で無駄がない。骨を覆うのにきっかり必要なだけの皮膚がぴんと張って、微塵のたるみもない。十八か十九のはずだけど、と十二だと言ってもおかしくなさそうな幼い顔を見ながらレディ・ジョーンズは思った。・・・・大人の知恵がつく前の子供たちにかげろうのように漂っている、間違えようのない愛を求めている表情。
「Beloved」 トニ・ モリスン (著) 吉田 廸子(訳) より
「青い目がほしい」でデビューをしたト二・モリスン。
2019年没。
会ったことはもちろんないのに、この著者がすでに死んでしまったことに深い喪失感を覚える。
2021-01-06 19:14
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