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東京国立博物館 後庭の茶室 [茶道の周辺]

友人に誘われて、上野の東京国立博物館の後庭で行われた茶会に行きました。



後ろの庭から博物館の姿を見ることができるとは、思ってもみませんでした。

初めてみる博物館の一面。

眺めているのが、何だか不思議な感じでした。







後庭には、 いくつかの歴史ある茶室がありました。







そのうちの一つ、小堀遠州が京都伏見に建てた「転合庵」です。

今回は薄茶席でした。







建築にも惹かれました。

が何より印象的だったのは、圧倒的な大樹の存在感でした。


つくし [茶道の周辺]



筑紫の干菓子です。

摘んできたつくしで作った、お手製の干菓子をいただきました。



そしてこちらも。

山椒の葉が氷の内側に見えるような美しいお菓子。

霜月(そうげつ)というお菓子屋さんの干菓子です。





芽吹きの季節。


ゴージャスな入院 [茶道の周辺]

一日 うちの茶室の炉のそばで過ごしたせいで、一酸化炭素中毒になってしまいました。

換気不足でした。



病院の救急センターに駆け込みすぐにで酸素マスクと点滴につながれ数時間の治療後、入院。



「入院です。ただし特別室しか空きがありません。」

と救急センターの先生。



特別室なんていらない、酸素さえ吸っていればいいのだったら、廊下のベンチでもどこでも転がしておいて、と思いましたが結局入院となりました。







寝たまま運ばれた特別室。広いスイートルームです。



「結婚当初借りた部屋の1.5倍はあるわ。」

と一酸化炭素でぼんやりした頭で思いました。




暖かく、柔らかいあかりと、サテンゴールドのカーテンと、化粧台のバラ。

ほっとしました。



ただし、酸素につながれている限り、お手洗いに行くにも、看護婦さんに来てもらわなくてはならなかったのでした。

それから食事はもちろん病院食です。



とはいえ最後の食事も完食。

器がきちんとしているとおいしく感じます。







おかげさまで、順調に回復し、酸素や、点滴も翌日にははずれ、退院までは、一人でソファでくつろいで過ごしました。















入院した2日間は天からのゴージャスな贈り物。

正月の休みにもリセットしきれなかった身体と心が、

「よかった」

とつぶやいた感じがしました。

どうもありがとう。

茶室shuhally [茶道の周辺]



横浜関内にある茶室shuhallyにうかがいました。



グッドデザイン賞を受賞した茶室。



こだわり極めたもてなしを、いただくことになりました。



茶の湯の姿を、恐れることなく自分の言葉で変換するエネルギーが、すごい。

瑞泉寺の松本棟梁 [茶道の周辺]



今年、茶室の施工でお世話になった鎌倉瑞泉寺の宮大工の棟梁に、年末のごあいさつと小さな相談があって、お会いしてきました。



訪ねると毎回、「やられた」とうれしくなる、おもてなしの抹茶が出てきます。



今日のお菓子は、小さく真四角に切ったピリ辛のこんにゃく。

しっとり水を含んだ杉の銘々皿に、椿の葉を敷いて立方体のこんにゃくに楊枝一本突き立ててありました。



杉の器は、瑞泉寺境内の杉から、宮大工さんの手で作られた器でした。

下を扁平にそいでいるため見付は薄く、テーブルから浮いて見え、でも全体は確かな厚みと安定感があり、よいのです。



さすが。








本番 [茶道の周辺]



今年も文化祭の季節です。



毎年、11月2日、3日の2日間は、文化祭の茶道部の水屋にこもりきり、指導してきた生徒たちがお客様をもてなすのを見守ります。



何百人ものお客様にお茶を出すわずか2日間で、少し頼りなげだった生徒たちの後ろ姿が一気にしっかりしてくるのに、毎年ひそかに目を見張ります。



本番の経験でしか得られないものは、何千回稽古を積んでも得られない。



日頃の地味な稽古があってこそ。








秋の茶室 [茶道の周辺]



秋の茶室。



黙って涙をぽとぽと落としながら、桑小卓でこの秋の風炉、最後の点前をして帰った子がいました。

仕事を初めて半年です。



今日も精いっぱい一生懸命やっているはずです。

風炉灰形 [茶道の周辺]



5月になり、茶室の炉を閉じて、風炉に。

ながいこと風炉よりも炉のあたたかさが好きでしたが、歳を重ねてきて、風炉のさわやかさも好ましくなっているのに気付きました。

風炉の灰形をつくりながら、気持ちが軽やかになりました。


初釜 [茶道の周辺]



初釜。



床の間には、米と石と松葉を。

「豊穣」と「変わらぬもの」と「命あるもの」の象徴として。



松葉は、明けきらない朝の闇にまぎれて、

よそ様の家から突き出た枝に手を伸ばして、こっそりとってきました。

正月から、松の葉泥棒です。

水屋の楽しさ [茶道の周辺]

「水屋」は、茶室の台所、準備の部屋です。
茶室をつくろうとする人が、必ずとても心をくだく空間です。
美しく。機能的に。

これまで、できる限り研究をしたつもりで、いくつかの水屋をつくる機会がありました。
が、数年前に、古くからの基本に忠実に作られた水屋の棚をつぶさに見た時の驚きは今でも覚えています。

正式な約束にのっとった水屋では、高いところの棚には天へと登っていく「火」にかかわるものを、地に近い低いところには「水」にかかわるものを、というようにどの茶道具をどこに置くのかも決まっています。それは皆知っている。

でも。
それに合わせて棚の作りがそれぞれに皆違うとは。板厚、吸いつき残の太さ、間隔までいちいち変えているとは。

それに気づかされ眼のあたりにした時には、一瞬息をのみました。
そこまでするのだ。


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